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弁慶の泣き所

 誰もが一度は経験したことのある、向うずねをぶつけたときのあの痛み、形容のしようのないほどの痛みです。
 
 昨日も、学校で向こうずねを打撲、腫れのきつかった小学生の患者さんが来院されました。アイシングなどを行った後、腫れの引きを促すテーピングと枕子で圧迫固定を施しました。

 向こうずねはいわゆる「弁慶の泣き所」と言われていますが、歌舞伎の「勧進帳」「義経千本桜」など弁慶が出てくる出し物の中で、向うずねを打たれて泣いたというシーンはまるっきりありません。さすがの弁慶も、ここだけは弱いはずといった意味合いからつけられたと考えられますね。弁慶でも泣き出すと言われているほどの痛さなのですから、私たち凡人が衝撃的な痛みを覚えるのは当然です。

弁慶の泣き所_a0099285_1045631.jpg 痛みを感じる知覚神経線維には太くて伝達の速いA繊維と、細くて伝達速度がその10分の1と遅いC繊維があります。
 向うずねには、この2つの神経線維が非常にたくさん分布しています。しかも、手で触ると硬い骨がわかります。向うずねには外部からの衝撃に対してスポンジの働きをしてくれる筋肉がないのです。薄い皮ふの下はすぐ神経線維が分布する骨膜となっています。つまり、向うずねには体表に一番近いところに痛みを伝える神経線維が密に分布しているわけです。これでは、外部からの衝撃が大きな痛みとしてもろに知覚させるのも仕方がないですね。
 
 皆さんも、家具のカドなどにぶつけないよう、お気をつけ下さい。そしてもし強く打ってしまった場合は、まず氷で患部を冷やしてください!

                                 寺峰 千子
by kishida-golgi | 2008-06-28 10:05

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